住まいの設計における廊下と壁面

住まいの計画において『動線』を考えておくことは重要です。
日々のライフスタイルは各家庭で違い、それに合わせて間取り等も変わってきます。
良い家とは住まい手の価値観とライフスタイルに合っていることが大切だと考えています。

廊下部分を減らすことだけが良い事ではない

不動産広告を見ていると、廊下部分が少ない間取りの家がよく見られます。
例えば、1階に玄関(ホール含む)・便所・LDK・洗面所・浴室・階段(2階に上がるため)が配置された場合、敷地や建物の大きさにもよりますが玄関ホールからすぐにLDKが配置されていることが一般的です。

その場合、LDKなどの床面積を少しでも大きく見せたい為に廊下部分の面積が極力少なくなるように計画されていることもあります。
注)LDKのワンルーム化が悪いとは言いません。

一見、廊下部分が少ないことは無駄が無くて良いことのように思われるかもしれませんが、有用な『動線』を考えると廊下を設けた方が便利なこともあり、また住まい方のアレンジもし易くなってくる場合もあるのです。

考えて欲しい、『動線』にはモノは置けない

『動線』は行動や部屋を繋ぐ通り道となります。
ダイニングからキッチンに入る通路、リビングから行き来する通路、便所や洗面所に向かう通路など、扉があればそちらに向かって移動することになります。

廊下部分が少ないほど居室等は広くなりますが、動線をイメージしてみると広く配置されていても居室内には案外“利用スペース”がない事に気付かされるのです。
※ワンルーム化は見た目の空間的には広く感じますが…。

家具等配置されていない新築の建売物件を見て、広く感じたと購入してみたものの、家具を配置しようとすると配置スペースが無かったり、想像以上に使い勝手が悪かったと思われる方も少なくありません。

これは『利用できる壁面が少ない』ことが原因で、家具などを配置しようと思ってもそこが『動線』になってしまっている為です。
間取り図を見て、例え10畳のリビングがあったとしても、リビングから続く扉の前や掃出し窓の前などは『動線』になってしまい、空間は10畳あっても落ち着けるスペースは小さくなってしまうのです。

生活をイメージしてみる

簡単なのは、まず持っている家具を計画(検討)中の間取りに当てはめてみることです。
キッチンなら冷蔵庫、電子レンジなどの調理器具、食器棚を当てはめてみると、動線がイメージしやすくなります。
不動産広告の中には稀に冷蔵庫などの配置場所が考えられていない間取りも見られますが、そのプランナーは自身で調理することも無く、キッチンでどういった行動がされるかを分かっていないのだと思います。

リビングなら家族みんなで座る場所やテレビを見るイメージをすると動線や『利用できる壁面』について分かりやすくなると思います。

又、洗面脱衣所(浴室が隣接)への“出入口”がキッチンのそばにあるプランが多く見られます。
家事のし易さを考えてのことだと思われますが、やはり家族が気兼ねなく使用できるようにも考えるべきでしょう。
キッチンに出入口があるとその周辺は動線となってしまい、キッチン自体が使いにくい空間となってしまう可能性もあります。

便所につきましては見え方、使用音、臭気(換気)にも気を付けなければなりませんので、これまでにもお話ししたようにダイニングやキッチンに出入口を設けることはお勧めしません。
廊下や袖壁である程度区分けされる方が良いと思います。

居室についても同じようにベッドや机を配置してみて、出入口の扉や収納の扉を開閉してみるイメージ、ベランダがあればベランダに出てみるイメージをしてみると動線や使い勝手が分かってくると思います。

出入口扉の種類や位置が半間変わるだけでも使い勝手は変わってきますので、住宅設計の経験が豊富な建築士と相談しながら間取り等を決めましょう。
良い家にしたいならライフスタイルに合った間取りにしましょう!