買ってはいけない住まい

注文住宅にしたいけれど、希望地域や予算に応じて建売住宅や中古物件を検討されることもあるでしょう。
まずはインターネットや情報誌を見て検討される方がほとんどだと思います。
私も住宅の広告を見るのは好きなのですが、たまに「これはないわ」というような物件もあります。個人的なチェックポイントを書いてみたいと思います。

新築でこの間取り(プラン)なら論外。

新築の物件情報では、すでに完成している物件や、これから建てる間取り図を載せていることもあります。後者の場合、“間取り変更可”と記載されていれば自分たちの希望を少し整理してみて、専門家にアドバイスをもらってみるのも良い方法だと思います。
問題はすでに完成している物件を見極める方法です。最終的には現地に行き内覧されるはずですが、それまでに下記のようなプランであれば検討から外すべきでしょう。
※中古物件の場合は参考にしてください。
あくまで下記のような間取りを“新築”で購入する場合に注意してもらいたいということです。

3階建ての住宅で、1階にしかトイレがない物件。

確かに20年ほど前であれば、木造3階建ての建売住宅ではトイレが1箇所の場合がほとんどでした。

今回は細かい説明は省略しますが、当時、トイレは1階に配置されることがほとんどでした。やがてトイレが1階から2階に配置されるようになり、そして近年では1階と2階どちらにも配置されるようになってきています。(3階にも配置されている場合もあります。)

(建売)住宅にトイレが2箇所配置される頃には、キッチンや洗面所、浴室などの水回り設備も充実してきたのも特徴的です。

驚くことに、今でも新築や比較的新しい住宅でも3階建ての1階にだけトイレが配置された間取りが見られます。夜間に3階の個室から1階のトイレに行くのはとても不便ですよね。
使い勝手を検討し納得しない限り“買ってはいけない”住まいです。

キッチンのそばに洗面所や浴室があって、リビングやダイニングを通らないと洗面所に行けない間取りになっている。

住宅情報誌を見ていると、時々見かける間取りです。
築15年前後の中古物件に多い感じですが、建売住宅の新築プランでも稀に見られます。

建物は2間半間口で延床面積が100㎡前後ぐらい、京都市では一般的な木造3階建て住宅の大きさですがこのような間取りになってしまうと建物全体で動線の悪い不便な住まいとなってしまいます。

よく見られるのが、2階にLDKがあり洗面所と浴室がキッチンのそばにあるタイプです。

売り文句としては「洗面所がキッチンの近くにあると奥様の家事がし易くなります。」などでしょうが、よく考えてもらうと洗面所(浴室)を使おうとするたびにダイニングやキッチンを通ることになります。

家族だけならまだ我慢できることですが、家族の来客中に洗面所に行きたくなった場合など、リラックスした格好では通りにくいですよね。
また、来客者が手を洗いたいと言われた時でも通りがかりにキッチンの中を見られてしまうことになります。

最近の住まいに対する要望の中にも、対面キッチンにしたいけれど来客者にはキッチンの中が見えないようにも配慮して欲しいというものもあります。

こういった感覚の問題点に気付かない建築士や建売業者にあたると良い住まいづくりは出来ないでしょう。ぜひ私達のような住宅を専門にしている者にご相談ください。

トイレの出入口がLDKに面している。

少し長くなりましたがもう一つだけ。
こんなプランニングがあるわけないと思われますが、10年くらい前に某有名プレハブメーカーの新築でありました。

土地も狭いわけでなく、2階建ての3LDK+Sぐらいだったと思います。

玄関から入ると、玄関ホールからすぐにLDKがあるのですが、玄関からの出入口(手前)から反対側(奥)に2階に上がる階段とトイレの出入口扉が見られました。

リビングから2階へ上がる階段があるというのは当時としてはまだ珍しい感じですが、この2階建て住宅に1箇所しかないトイレがダイニングに面しているのにはとても驚きました。

トイレの扉を開ければ室内は丸見えで、使用音も聞こえると思います。
また同じ事を言ってしまいますが、家族だけならまだ我慢できるかもしれませんが、来客者がこのトイレを使いたいと思うのでしょうか。

実はこの建物は知り合いが購入したものでしたが、プランニング打合せは営業担当者が行っていたそうです。
何千万もかけてひどい話です。

今回はトイレや洗面所などの水回りについて気になった点をあげてみました。部屋数や大きさを優先される方も多いですが、動線や使い勝手も永く住むなら重要になってきます。
間取り変更可能な物件や、中古物件を購入してリフォームされる場合には多少費用が掛かっても住宅を得意とする建築士に相談されることをお勧めします。