平成時代で思い出される家づくりは、2階建てから3階建てが主流になってきたこと、そして最低でも一家に一台車の駐車スペースを設けることでしょうか。
敷地内に車が二台駐車できるようにするのも珍しくはありませんでした。
平成は耐震・防火・景観において厳しくなる一方でした
各家庭に車があると、多少交通の便が悪いところでも家が建っていきました。
平成前半の建売住宅では、敷地面積が15坪ほどの土地に3階建てを密集させて建て、安く販売されていました。
当然、この思い出される頃の建売住宅は間取りを自由に変えられることはほとんどありません。
同じ間取りの建物を早く建てて売ることが目的だったのですから…。
残念ながら、今でもこの販売スタイルが変わっていないこともあります。
密集して建てられているにも関わららず壁は薄い為、当時は断熱性能を気にすることも無かった為に隣の生活音も筒抜けでした。
欠陥住宅と言う言葉もこのころから増えたのではなかったでしょうか。
不動産会社に決めつけられた間取りの家を35年のローンを組んで購入する時代で、ローンが払い終える頃まで家が保てれば儲けものというレベルでした。
建築申請の厳格化をしても…
「耐震強度偽装事件」がきっかけで、住宅の建築申請まで検査が異常に厳しくなったのも思い出されます。
日頃から真面目に仕事をしていた建築設計事務所や施工会社にとっては本当に考えられない事だったと覚えています。
建築確認申請や検査項目が厳格化されることによって、私達の作業の負担が増え、結局お客様の負担になっていったのです。
お客様にとっては少々負担が大きくなっても検査済証などが発行されるのであれば良いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし今年に入ってからの【レ社】や【ダ社】のように施工不良という問題も起こっています。
こういった大手の会社では、施工業者が少なく人手が確保できなかったと言っているようですが、依頼者には関係ない事です。
最低限建築申請と同じ、又は同等以上、建築基準法を順守してほしいと思います。
施工不良や欠陥住宅の被害に遭わない為に気を付ける事
これからの家づくりで、どうしたら施工不良や欠陥住宅から回避できるかと言うと、やはり住宅だったら住宅を専門にしている建築士に、ビルだったらビルを専門にしている建築士に依頼することです。
建築士はお客様に代わって建物が計画図面通りに作られているか、依頼することによって監理も行います。
ここで重要なのは建築設計事務所や建築士が施工会社の下請けや従業員じゃない事です。
全てが問題とは言いませんが、親会社や上司から建材や仕様の変更を指示されたら反対意見は言えない可能性があります。
それこそ【レ社】と同じような問題を起こす事になってしまいます。
令和での家づくりは、流れ作業のような家は買わない、頼まない!
営業担当の人しか顔を合わせない会社には任せない方がいいでしょう。
設計者、施工管理者の顔の見えるところへ依頼しましょう。
大切な予算で安心して建てる、長く使える家づくりが大切な時代です。
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